藤井竜王 今期勝率8割到達  簡単に神の一手と言うなかれ とは言うものの・・・

ニシムラサービス唯一の観る将部しまやんです

今日も今日とて藤井竜王を応援します。

9/11(日) NHK杯2回戦 対伊藤匠伍段

将棋の対局がネット中継されるときは生放送が基本ですが

NHK杯NHKで毎週日曜日AM10:30より録画放送されるという普段とは違う形の対局となります

他の対局は持ち時間が数時間ありますが

NHK杯は持ち時間が10分で使い切ると1手30秒で指さなくてはいけません

ただし、秒読みに入ってから1分単位で合計10回の考慮時間を使用できます

藤井竜王と伊藤五段は同い年で誕生日が伊藤五段のほうが遅いため、最年少棋士となっています

伊藤五段は昨年度の勝率部門で藤井竜王を抑えて1位になるほどの実力もあり

2人の対決は注目されていました

結果としては116手で藤井竜王の勝利となりました

途中伊藤五段が有利になるところもありましたが、まだまだ力の差はあるかなという感じでした

 

9/12(月) 順位戦A級3回戦 対糸谷哲郎八段

藤井竜王のここまでの順位戦の対局は1勝1敗

ここは負けられない対局

ここまでの両者の成績は藤井竜王の5勝0敗と負けなしですが

それでもA級棋士、油断はできません

藤井竜王がいいペースで指し進めていたのですが、65手目3五歩と打った手が悪手となり

70%くらいあった評価値が30%くらいになってしまいました

しかしその後糸谷八段が7七銀と打ち、藤井竜王が7六飛と指した次の一手

糸谷八段がノータイムで8八銀成りとしたことで評価値が互角にまで戻りました

その後は藤井竜王がペースをつかみ、113手をもって糸谷八段が投了

藤井竜王は2勝1敗となりました

その後唯一の全勝であった稲葉八段が負けたため

すでに全勝はいなくなり、現在2勝1敗に六人が並ぶ大混戦模様となっております

 

9/23(金祝) JT杯2回戦 対羽生善治九段

JT杯はNHK杯と同様な形式をとっており

持ち時間が10分で使い切ると1手30秒で指さなくてはいけません

ただし、秒読みに入ってから1分単位で合計5回の考慮時間を使用できます

賞金ランキングTOP12のみが参加できる少し変わった棋戦でもあります

公開対局となり和服が必須で、途中で封じ手が行われ来場者にクイズとして出題されます

羽生九段は将棋に詳しくない人でもその名前は聞いたことがあるであろう棋士

タイトル七冠、獲得タイトル99期とまさにレジェンドです

藤井竜王も数々の記録を塗り替えて、現在タイトル五冠

まさに新旧天才同士の対決となりました

前半は互角の戦いが続き38手目羽生九段が指した4四角

これは飛車取りをにらむと同時に相手側の飛車を自陣に引き寄せる手であり

もし藤井竜王が飛車を相手陣に成りこんでいったら、不利になっていました

それに気づいたのか飛車は成らずに8七金とこちらも飛車を取る形に持っていきました

ここで飛車を交換しようという手でもあり、羽生九段も飛車を取るのはごく自然でもあり

実際飛車を取りましたが、その瞬間互角だった評価値が藤竜王が65%くらいまで振りました

少し手が進んで47手目、この時評価値は藤井竜王側が78%となっていました

竜王が4分ほど考えて打った手8二飛

この手は打った瞬間のAIの評価値は5番手にも上がってきておらず63%まで下がりました

疑問手かと思われたこの手が、ここから数手お互いに最善手しか指してないのに

藤井竜王側の評価値が74%まで上がってくることになります

後にこの手を検証した人がいるのですが、AIで5分ほど読ませれば8二飛が最善手に上がってきたとのこと

短時間の読みではAIですら発見できない手を人間が発見したということになります

神の手なんてそんなに簡単出てくるものじゃないということですが

もちろん大げさかもしれませんがまたしても神の一手が出たのかもしれません

その後この差が縮まることはなく55手目藤井竜王が4五角と打った手で羽生陣は

ほぼ受けなしとなり、67手をもって藤井竜王の勝利となりました

 

これで藤井竜王は今年度の勝率を8割台に乗せてきました

棋士になったばかりの新人が8割台を出すことは往々にありますが

順位戦A級、タイトル戦を3つ行ったうえでの8割は通常であれば考えられないです

 

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